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 Research and Development

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Terahertz Technology

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  テラヘルツ波とは周波数100 GHzから10 THzの電磁波を意味します。1980年代より超短パルスレーザーによるコヒーレントなテラヘルツ生成・検出が可能になってから,高い信号雑音比を活用した様々な理学・工学応用が探索されてきました。同時に生命・医学研究へ従来では観測不可能であった情報を提供する技術として注目されてきた。しかしながら生体試料の個体差が大きいのに加えて,励起レーザーに起因して発生テラヘルツ波の強度が不安定であり系統的な結果を得ることが困難であったため,脱水あるいは結晶化した生体関連物質の計測しか困難であり,リキッドベースの生きた細胞を評価した研究はほとんど見られませんでした。それに対して近年,テラヘルツ波を発生する超短パルスレーザー技術,信号制御技術が飛躍的に伸びるとともに,個体差の大きい生体試料の系統的な結果を得ることができるようになり,生命・医学研究者と密接に連携することが可能となってきました。

 当研究室では,フェムト秒レーザーを用いて様々な化学反応による電気ポテンシャル分布を可視化するテラヘルツ波ケミカル顕微鏡(特許第4360687号,特許第4183735号,US PAT. 830022など)の開発に成功し,様々な応用用分野を開拓しています。

テラヘルツ波ケミカル顕微鏡を用いたがん細胞高速評価装置

 

 がんゲノム検査では、検査組織として病理検査用に作製されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックを使用します。このFFPEブロックは、早くて2~3日要するという課題がありました。また、作業者の不慣れによる作製工程の手技の差や、保存状態、サンプリングエラーなどの原因でがんゲノム検査に十分な DNAを得ることができない場合がしばしばあるなど、人材の育成が急務です。

 本研究では,手術中にがん細胞の種類、割合を迅速簡便に検査し、がんゲノム診断に最適な組織検体であるかを評価できる「がん細胞高速評価装置」を実現し,ゲノム解析にかかる時間を飛躍的に短縮することで、検査時間の短縮、患者負荷、コストを低減することが可能にします。

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超微量溶液中の生体関連物質検出

生命活動を維持するために重要な様々な生体関連物質は要素です。 病気の早期診断では,この生体関連物質を高感度に検出することが必要不可欠です。健康診断でも活用される血液検査は病気を早期発見するための最も強力な手法の一つが血液検査です。

 近年,私たちの開発するテラヘルツ波ケミカル顕微鏡は,超微量の液体中の生体関連物質の検出が可能であることがわかり,この装置を利用することでわずかな血液で迅速簡便な健康診断ができるようになる可能性が出てきました。

​ 私たちはこれまでに,新型コロナウィルス由来タンパク質,エクソソーム,ヒスタミン,コルチゾール,IgG抗体など多様な生体関連物質の微量検出に成功しています。

テラヘルツ時間領域分光
 

 テラヘルツ時間領域分光は,低エネルギー(300 µm, 30 1/cm, 4 meV)付近の分光情報を高い信号雑音比で計測できる手法です。特に高分子材料の特徴を調べるために有効であると期待されており,生体関連物質の計測にも期待がされています。私たちは,このテラヘルツ時間領域分光を用いた様々な物質の計測を行うとともに,この計測原理を利用したセンサの開発も行っています。

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Superconducting Technology

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 1911年ライデン大学のカマリン・オンネスがHgを絶対零度近く(4.2 K)まで冷却すると電気抵抗が突然、限りなくゼロに近づくことを発見しました。超伝導現象の発見です。さらに、1983年にベドノルツとミュラーは、酸化物セラミックスが従来の理論では理解できない高い温度(35 K)で超伝導になる(転移する)ことを発見しました。以後、さらに高い温度で転移する物質が発見され、現在では液体窒素の簡単な冷却で超伝導になる物質が数多く発見されています。

 私たちの研究室では、超伝導特有の現象を生かしたデバイスである超伝導量子干渉素子(SQUID: Superconducting quantum interference device)を活用したシステムの開発を行っています。SQUIDは非常に高い感度で磁場を検出することが可能で、医療や物性研究等に活用されています。

高温超伝導SQUIDを用いた高感度磁気免疫法

 私たちは,磁気ナノ粒子(MNP) を抗体に結合させた上で,液中で抗原と反応させた時に起こるMNP の磁気特性の変化を,⾼温超伝導(HTS-) SQUIDを⽤いて検出することで,液中の抗原量を⾼感度計測するシステムの開発を⾏っています。このような抗原抗体反応検出技術は,⼀般にウィルスなどの病原の検出,⽣体関連物質の検出など医療研究・診断に⽤い流ことが可能です。MNP を⽤いた検出⽅は,従来の検出法である蛍光標識を⽤いた検出法と⽐較して,不透明溶液中の検査が可能,未反応抗体の洗浄処理が不要など医療応⽤を⾏う上で⼤きな優位性があり, 期待されています。

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Chem/Bio-Sensors

    ケミカル/バイオセンサは,様々な化学反応を利用して物質を高感度に検出するデバイスです。我々の研究室では,新規なメカニズム・構造を開発し、より使い易く社会のニーズに役立つセンサの開発を行っています。

超薄膜型水素センサ

 

 水素エネルギーは,二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーとして注目されており,水素自動車や燃料電池など,水素を利用する社会が近い将来実現します。ただし,水素は爆発性があり,水素の漏洩を早期に検知できる水素センサが求められています。そこで,シンプルな構造で低コスト化を実現し,多点で水素濃度を計測できる高機能水素センサの開発を行っています。

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Kogakubu 3-Gokan (N32), Tsushima Campus,
Okayama University
3-1-1, Tsushimanaka, Kitaku, Okayama, 700-8530 Japan
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〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中3ー1ー1 
岡山大学津島キャンパス 工学部3号館(N32)

Contact

Graduate School of Interdisciplinary Science and Engineering in Health Systems,  Okayama University, 
3-1-1, Tsushimanaka, Kitaku, Okayama, 700-8530 Japan
 
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中3ー1ー1 
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科
 
t: 086 251 8130 (local) / +81 86 251 8130 (int'l)
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