ナノの力で、ゼロエミッション社会を切り拓く

私たちの社会は今、気候変動、エネルギー問題、資源循環といった地球規模の課題に直面しています。これらの課題に真正面から向き合い、持続可能な未来を切り拓くためには、既存技術の延長ではなく、物質の根源に立ち返った革新的な材料科学が不可欠です。
本拠点は、ナノスケールで物質の機能を引き出す「ナノグリーンマテリアル」を核として、ゼロエミッション社会の実現に貢献することを目的に設立されました。機能性ナノカーボン、低炭素エネルギー変換材料、次世代エレクトロニクス材料、そしてそれらを支える最先端計測技術まで、学内の世界トップクラスの研究者が分野を越えて結集しています。
本拠点の最大の強みは、材料を「つくる」「活かす」「正確に測る」研究が一体となって進む点にあります。異なる専門分野が有機的につながることで、単独では到達し得なかった新しい科学と技術が生まれつつあります。この融合こそが、環境負荷の低減と高機能化を同時に実現する鍵であると私たちは考えています。
また、本拠点は研究成果の創出にとどまらず、次世代を担う若手研究者・学生の育成、産業界や社会との連携にも積極的に取り組んでいます。研究室の枠を越え、大学の枠を越え、社会とともに成長する研究拠点でありたいと考えています。
ナノの世界に秘められた可能性を、社会の力へ。本拠点の挑戦に、ぜひご期待ください。
ZEN-GO
代表 寺西貴志
本拠点では、以下の4つの研究分野を柱として、環境・エネルギー・情報技術の未来を支えるナノグリーンマテリアルの創製を加速させています。
低炭素ナノエネルギー変換マテリアル
― 太陽光・電池・CO₂をナノで制御する ―
ナノ粒子による光エネルギー制御を用いた高効率な水分解・窒素固定、
巨大容量コンデンサや次世代電池、全固体電池の開発など、
低炭素社会を支えるエネルギー変換技術を創出しています。
特に、従来は不利と考えられていた材料を用いてリチウムイオン電池性能を飛躍的に向上させた成果は、
世界初の成果として国内外で注目されました。
さらに、安全・低コストな次世代水系電池や、
CO₂分離膜、リサイクル可能なソフトマテリアルにも挑戦しています。
機能性ナノカーボンマテリアル
― 廃棄物から最先端材料へ ―
廃プラスチックやバイオマスから生まれるグラフェンやカーボンナノチューブ(CNT)を基盤に、
触媒、電池、導電性フィルム、熱電発電素子などへの展開を進めています。
未利用熱エネルギーを電力に変える技術や、省エネルギー型電子材料の開発により、
世界最高水準の電力変換効率を実現しています。
次世代ナノエレクトロニクスマテリアル
― 低消費電力デバイスの新常識をつくる ―
二次元半導体材料(MoS₂、WS₂など)の構造をナノレベルで制御し、
高性能・低消費電力な電子デバイスの実現を目指しています。
世界に先駆けて、ミリメートルサイズの高品質二次元半導体単結晶の合成に成功するなど、
次世代エレクトロニクスの基盤技術を切り拓いています。
ナノマテリアル先端計測
― 見えないナノの世界を“見える化”する ―
テラヘルツ波ケミカル顕微鏡や超伝導量子干渉素子を用いて、
半導体、ナノ材料、生体関連物質を非破壊・高感度で計測します。
さらに、ナノ薄膜表面の超精密計測やプラズモニック材料評価を通じて、
材料設計の最適化と革新を強力に支えています。









